キッチン / 吉本ばなな / 角川文庫
オススメポイント!
1. 日常の小さなきらめきに気づかせてくれる
2. 悲しいことがあったときに少しだけ元気を貰える
吉本ばななさんの描写力に情景が自然と頭に浮かんでくるので、テンポよく読むことができる一冊。
いつも目にしている日常の何気ない風景たちも、本作を読むことで普段とは違って見えてきます。
唯一の肉親を失ったみかげの孤独は、ひたすらに静かで、だが確実に水面下で広がっていく…。そんなみかげの姿に読者は胸をえぐられること間違いありません。
自分の気持ちをうまく言葉にすることができないみかげに自分の姿を重ねてしまう。それでもみかげのそばにい続けてくれる雄一がかっこいい。こんな人が現実世界にもいたらいいのに、と思わされること間違いなし。
雄一のお母さんもとても魅力のある人で、この親子は人との距離の測り方がうまい。そんな登場人物たちが作り出す作品の空気感は癖になり、いつまでも読んでいたいという気持ちにさせてくれます。
おおよその読了時間
約2時間/200ページ
こんな人にオススメ!
1. 生きることに疲れている人
2. 悲しいことがあった人
3. 身近な人を亡くした人