きりぎりす / 太宰治 / 新潮文庫
オススメポイント!
1. 暗いだけじゃない!太宰の入門書
2. 読めばきっと、ユーモアのセンスに感銘を受ける!
太宰治と聞くと、
「教科書にのってた、走れメロスの人でしょ?」
「あー、人間失格の!」
などと答える方が多いのではないでしょうか。そして二言目に、
「暗くない?」
と。
確かに太宰は暗い。けれど、それだけではないんです。
ご紹介する短編集『きりぎりす』には、太宰のユーモアと優しさ、そして人生観を堪能できる作品が詰まっています。
中でもいち押しは『畜犬談』。
犬をひどく嫌う主人公の恨み言が、つらつらと言葉巧みに綴られていきます。それほど嫌っていたのに、ある日まとわりついてきた子犬にポチと名付けて始まる、犬との生活。
引っ越し、皮膚病…。様々な状況に揉まれながら行きつく結末と、最後にはわかりやすく太宰の芸術感が主人公を通して語られます。とにかく読みやすく、思わず音読したくなる軽快さです。
ぜひ、太宰は教科書でしか読んだことがない方にも読んでいただきたい一冊です。その他の収録作品、『皮膚と心』『善蔵を思う』も必読です!
おおよその読了時間
約6時間/368ページ
こんな人にオススメ!
1. 文学作品に触れてみたい方
2. 読みやすい本を探している方